小さな光 ~月と太陽~
「お姉ちゃん、また遊ぼうね」


そう言ってお母さんに手を引かれてゆう君は帰っていった。


……………1人ぼっちの公園。


あんなに人が居たのに今はあたしだけ。


あたしはブランコに乗った。


小さい頃は丁度良かったブランコが今はとても低い。


あたしの頭の中には藤との沢山の想い出が浮かんでいる。


2人に迷惑をかけるから

本当なら家へ帰らなくてはいけない。


けど、足が動かない。


帰ったら藤がいる。



『好き』って言ってくれたのに。


あたし、信じていたのに…


目が熱くなる。



「こんなにも、こんなにも、大好き、なのに…」


「誰が『大好き』なの?」



だれも居ないと思って声に出したのに、


「アズはこんな時間になにしているんだ?」


あたしの前にハァハァ言いながら藤が立っていた。











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