小さな光 ~月と太陽~
「日も暮れてきたし…帰るか」



藤はあたしに手を差し出してきた。


あたしは迷わずその手に飛び込み、小さい子のように手を引かれて家へ帰った。


たぶん一緒に歩くのも今日が最後。


………最後にしなきゃ



家に帰ると夏川さんがハンバーグを作っていた。


どうして今夜がハンバーグだって分かったんだろう?


あたしの気持ちを読んだのか藤が教えてくれた。



「買い物袋の中に【誰でも簡単!!!おいしく作れるハンバーグ!!!】が入っていたから分かった。


ハンバーグで良かったんだろ?」


「うん」



たぶんあたしの事を1番分かっているのは藤。


あたしも藤の事を1番分かれる人になりたかったな。


藤があたしの闇を月のように照らしてくれたように、あたしも藤の闇を照らしたかった。













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