小さな光 ~月と太陽~
あたしの言いたい事は全て言った。


もう言う事は無い。


藤は動けないでいる。

そうだよね、あたしが2人が婚約していただなんて知っている訳がないと思っていはずだ。

それに、今日会っていた事も…


「それじゃあ、おやすみ」


あたしはそれだけ言って藤の顔を見ずに部屋に走った。


後ろから「アズっ!!!」と名前を呼ばれたがあたしは1度も振り返る事が無く、部屋に行った。


振り返ったら、言っちゃいそうだよ。


大好きって…


この日は、何時に眠ったのか分からない。


部屋に入りあたしはベットの上で泣いた。


ずっとずっと泣いていた。


藤が何時に家を出たのかも分からない。


気がついたら、外は明るくなっていた。


泣き疲れたのか、あたしはそのまま眠ってしまっていた。


「布団、かけている」


布団を掛けた覚えが無いけど掛けている事に驚きだ。


ベットから出て、リビングへ行くと居るはずの無い人がいた。


「なんで…」










< 145 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop