小さな光 ~月と太陽~
藤の2、3歩後ろをついていく。


どこへ向かっているのかわからない。


藤は何も話さないで進んでいくが、あたしに歩調を合わせてくれている。



優しくしないで。

あたしはまだ藤の事が

好きなのに…



「ここ…」


「止まらずに付いてこい」



藤があたしを連れてきた場所。


そこは藤が働いている『ホテル』


どうしてこんな所にあたしを連れてくるの?



「ねぇ、藤」


「………」



話かけても返事は無い。


藤が何を考えているのかわからない。



「アズ、先にあそこのカフェに行っていて」


やっと口を開いたかと思うと『カフェに行け』って…


けどここであたしが反抗したら藤の機嫌が悪くなるのがわかるからあたしは大人しく従った。


あたしがカフェに向かって歩いていると藤が誰かに電話を掛けているみたい。

けど、何を話しているかは分からなかった。









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