小さな光 ~月と太陽~
「藤の為に何を努力するの?」


「朱音さんには、分かりませんよ。


分かるはずが無い」



朱音さんの顔が変わった。

朱音さんは藤が好きだから自分の元へ帰ってきて欲しいからあたしと比べられるのが嫌なんだ。



「アズは俺に近付こうと自分の苦手な物に向かっていきます。

本当は怖くて、怖くてしょうがないはずなのに我慢します。

アズは我が儘1つ言わないから心配で目が離せないんです」


あははっと笑った藤。


真剣な話をしているのになんだかのんびりだ。



「ねぇ藤…私が藤の中に入る隙間がある?」


「無いです」


「梓ちゃんはまだ高校生じゃない。

これから沢山の人に出会って藤以上に好きになる人が現れるかもしれない。



今は一緒に暮らしているからお互いが想いあっているだけかもしれないじゃない」








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