小さな光 ~月と太陽~
「あまり簡単にそう言う事言っちゃダメよ。
梓ちゃんが不安がるでしょ」


「ねぇ~」と言って優しくあたしに笑ってくれた。


今の朱音さんには前の時のような冷たい視線を向けてくるのでは無く優しい視線を送ってくれる。



「まぁ聞くって言ったんだから聞いてもらうわよ。


……いい?」


「覚悟はしています」


「…………絶対に梓ちゃんを幸せにしてあげて。


梓ちゃんを泣かせるような事をしないで」


「絶対に約束します」



藤の強い目。


あたしはやっぱり…



藤が好き。



「よく言ったわね」


「これだけは誰にも譲れません」


「梓ちゃんには敵わないや…」



そう言った朱音さんの目には薄く光るものが見えた。


朱音さん…ごめんなさい。

あたし藤の事、やっぱり諦められないです。


あたしは心の中で朱音さんに謝った。



「それじゃ、ここは私が払うから」と言って朱音さんは立ち上がり伝票を持って出ていってしまった。


残されたあたしと藤…









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