小さな光 ~月と太陽~
「けどね、あたしは藤を傷つけた。

最悪な事をした。



前のようには戻れないよ」



藤を傷つけた事実は変わらないし、

変えられない。


あたしがした最悪な事。



「あたしは藤には幸せになって欲しい」


藤の1番近くで幸せになる姿を見たかった。



「あたしは藤をまた傷つけるから…一緒にはいられない」


本当は藤がいなきゃダメ。

けどあたしといてあたしが藤を傷つけるかもしれない。

あたしはそっちの方がイヤだ。



「あたしを好きになってくれて、ありがと…」


あたしの最大の想いを全て伝えた。



好きなってくれてありがとう。

優しくしてくれてありがとう。

ご飯を作ってくれてありがとう。



藤に伝えたい想いは全て感謝の言葉。


それ以外は出てこない。



好きだよ。


これからも、この先ずっと。



はぁーっと1つ大きなため息。


「お前はちゃんと俺の話を聞いていたのか?

このアホッ」






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