小さな光 ~月と太陽~
『俺の元へ戻ってきてくれるか?』



戻りたい。

藤の近くにずっといたい。



「アズは俺を傷つけたって思っている?」


あたしはコクンッと頷くと…「それは違うよ」と言ってくれた。


「アズの話を聞いていておかしな部分がいくつあった。どうせ朱音さんに会って『嘘』を吹き込まれているんだろうなってすぐに分かった」


「嘘って…」


「俺、朱音さんと付き合ってはいたけど『婚約』まではしていなかった」



その事実を聞いた時、あたしの顔は一体どうなっていたのだろうか?


藤はあたしの顔をみて笑いだした。


「アズ目でかくなってるし、アハハハッ」


って…笑い事じゃなーい!!!


あたしは本当に婚約していたって思ったんだから。


そして真剣な顔をしてまた藤が言い出した。


「もう1度戻ってきてくれないか…」




あたしの答えはとっくに決まっている。










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