小さな光 ~月と太陽~
「戻っていいの?」


「もちろん」


優しく笑い、手を大きく広げてあたしを待っているようだった。


「おいで」



藤…藤…


大好き。



あたしは思いっきり藤の胸の中に飛び込んだ。


「よかった、戻ってきてくれて」


藤の声が聞こえた。



あたし戻ってきたんだよね。

また藤の彼女だよね。



「アズが俺を変えたんだから、どこにも行くなよ」


「行かない、ずっといる」


「梓…」



藤は強く抱き締めた。



あたしの目からは涙が止まること無く溢れ出てくる。

止まることを知らないあたしの涙。



あたしは藤の胸の中でずっと泣いていた。













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