小さな光 ～月と太陽～

「いい加減、機嫌直せよ。からかったのは悪かったからさ」


フンだ。

藤なんか知らないもん。


あたしは藤が作ってくれたお昼を食べる。


「アズー聞いている？」


聞いているけど、あたしは返事をしない。

それくらい、怒っている証拠。


「アズは俺の事が嫌い？」


あたしが全く返事をしなかったら藤の弱々しいい声が聞こえてきた。

嫌いな訳がない。

あたしは藤が好きなんだから…


「嫌いじゃないよ、藤の事好きだよ。大好きだからね」


勘違いされたままが嫌だったからあたしは急いで返した。


言い出した藤は下を向いて俯いている。


「ゴメンね、藤。変な事で怒って。
もう怒っていないから…ね。あたし、藤の事好きだよ」


「もういいよ、アズは俺が嫌いなんだ」



藤がちょっと拗ねている…

…………可愛い。



だなんて思っている場合じゃない。


どうにかして藤の誤解を解かなきゃ。