小さな光 ~月と太陽~
藤がそこまであたしとの事を考えていてくれているだなんて………

知らなかった。



「藤君の気持ちは分かった。

……………アズは…」


あたしに話が振られる。


藤とはずっとずっと一緒に居たい。

明日も明後日ずっとずっと…



「アズは……いいや。

たぶん気持ちは決まっているはずだから」


『気持ちは決まっているはずだから』って…

あたしの意見は全く聞いていないじゃん!



「お二人にお願いがあります」


いまだ真剣な顔の藤。



「梓さんとの交際を認めて下さい」



藤が深く頭を下げたのであたしも一緒に下げた。




お母さん、お父さん。

あたしと藤のお付き合いを認めて!




あたしは心の中で願った。

そして聞こえてきたお母さんの声。


「いいわよ」


なんとも軽い返事。







< 189 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop