小さな光 ~月と太陽~
あたしが藤に甘え始めている?


「本人は“全く”自覚は無いみたいですけど…

初めの頃よりは我が儘を言ったりするようにはなりました」


「やっぱり“彼氏”だと違うのかしら…」


ブツブツとお母さんが何か言っているけど聞こえない振り、聞こえない振り…

あたしは自分でもわかる位熱くなったのがわかった。



「アズはこのまま俺たちに甘えずに大人になっていくのかと思っていたから心配だったんだよ。


アズを変えてくれてありがとう、藤君」


「こちらこそ…」


藤はお父さんに向かって深く頭を下げた。


藤があたしを変えた。

あたしは藤のお陰で変わった。



あたしにとって藤はとっても大切な人。



「あっそうそう♪」


何かを急に思い出したようにお母さんが声をあげた。


「ホテル内で藤君の“噂”が流れているらしいわよ」



『噂』

どんな噂かな…?








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