小さな光 ~月と太陽~
あたしは急いで自分の部屋に行き布団を被った。


カチコチ、カチコチ…

時計の進む音が聞こえる。


家の中はとても静か。


時計の針が12時を回った頃あたしは…


「眠れない…」


普段、この時間はもう眠りについている。

けど今日は眠れない。


いつもなら一緒に眠っている藤もいない。

今日は自分の部屋で寝るみたい…


「藤の部屋…行こうかな?」


寝る前にお母さんが言った事を思い出した。



『藤君の所に行きなさい』



別に寂しいって訳じゃ無いけど…

行っても、いいよね?



あたしは枕を持って行動に移した。


部屋の前まで来たはいいけど…藤が起きていなかったらどうしよう…


何も考えないで来てしまった。

今さら後悔してきた。


けど…

戻りたくない。


あたしは藤の部屋をノックした。





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