小さな光 ~月と太陽~
コンコンッ――――
「……………」
けど返事が返ってくる事が無かった。
あたしはゆっくりドアを開けて中を覗いてみた。
真っ暗な部屋。
微かに聞こえてくる藤の寝息。
「ふーじー…」
あたしはゆっくりベッドに近づいて行った。
「ふーじー…」
名前を呼んでも反応なし。
もう寝ている。
目が暗闇に慣れあたしはベットの端に頬杖をついて寝顔を眺めた。
藤の寝顔を見るのはこれで2回目。
「いつ見てもムカつく位キレイな顔」
非の打ちどころが無い。
藤のキレイな頬をツンツンっとつついて、
「ふーじー…起きてる?」
寝ている藤に話しかけたって無意味なのに話しかけてしまった。
けどその時聞こえないはずの声が聞こえた。
「起きてる」