小さな光 ~月と太陽~
「この先のホテルの事なんだけど…

アズも藤君も聞いてくれる?」



「2人にも関わる事だから」と言ってお母さんは真剣な顔であたしたちに話し掛けてきた。

あたしはコクンと頷くと今度はお父さんが話し出した。




「今あのホテルは日本にいくつもの“支店”がある。そして藤君が働いてくれているのが“本店”」


そこまで話してくれた事はあたしでも知っていること。


「今回の“海外旅行”の目的はただの“旅行”では無かったんだ」



ん?お母さんとお父さんはあたしに

『海外旅行に行ってくる』


と言って家を出ていき藤とあたしを同居させた。



―――――あれ?2間は戻ってこない予定じゃ…


あたしが2人の急な帰国について考えていると藤は急に話しだした。


「どこか良い所が見つかりましたか?」


「一応は…」



あたしには何を話しているのかさっぱり分からない。今まで考えもしなかったが2人が日本にいる事も分からない。






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