小さな光 ~月と太陽~
『大人』


「大人っていつ?いつになったら迎えに来てくれるの?」


「ん~俺が恥ずかしくないって思うまでだからな…」


そんな…そんな…


「曖昧な言い方ヤだよぉーちゃんと“いつ”って言って」


あたしは強く藤に抱きついた。

向こうで藤を待っていても藤が来ないんじゃないかって思う。



確実な何かが欲しい…



「俺がさっき言ったこと覚えている?」


『俺にはお前しか…梓しかいないんだよ。考えられないんだよ』


「…覚えている」


けど不安がある。


「誰に何を言われたって俺の気持ちは“絶対”に動かない」


「うん…」


あたしだって…藤以外の人を好きにはならない。

……………好きになりたくない。


「俺を信じて」


「…………」



確実な何かがあるわけではない。


あたし達には目に見えない『約束』しかない。







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