小さな光 ~月と太陽~
どうして…どうして藤はそんなに優しいの。

こんなにも手を強く握っているのに…



藤だってあたして離れたくないんでしょ?



「後悔して欲しくないんです。後で今出すこの選択をお二人には後悔だけはしてほしくありません。

だからもう少し…考えてください」


藤は後悔しているんだ。

家族と過ごしていた時間が短かったから藤はその頃の事を思い出しているんだ。


「僕は梓さんとご両親には後悔しない選択をしてともらいたいです」


「だったら…」


ニヤニヤッとお母さんが笑い出した。



「だったらアズには一緒に付いてきてもらいましょう。アズには藤君と“別れて”もらいましょう」


『別れる』


そっそんなの…


「イヤだ」


「ちょっ、待ってください。僕は梓さんと別れる気は全くありません」









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