小さな光 ~月と太陽~
「私達は今ここでアズを無理矢理連れて行く事が出来る。

けど…

連れていけばアズは絶対悲しむ。

私たちといるよりアズは藤君と一緒に居る方が絶対幸せなのよ…




昨日からアズの様子を見ていたら…誰だってわかるわよ」


「本当は俺たちもアズを連れていきたい。

けど向こうへ行ってもアズが笑って過ごしてくれないような気がするんだ…」


「悔しいけど…アズには藤君が居なきゃダメみたいだしね…」


お父さん…

お母さん…



「家族として過ごせる時間は今しかないはずです」


「それもそうだけど…私たちはアズにはしっかり家族の大切さを16年間教えたつもりだけど」


ほとんど1人だったけどね…


「普通より一緒に過ごした時間は短いけど…その短い中で私たちはしっかり教えたから大丈夫よ」


「ちょっと甘えてはくれない子だけどね」と言ってお母さんは笑った。



確かに、あたしは家族で過ごした時間は短い。

たまにしか会う事が出来なかったけどあたしはその中で沢山学んだ。








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