小さな光 ~月と太陽~
藤が大きい荷物を持って、あたしは小さな荷物を持った。


その荷物を藤のトランクへ運び運転席に藤、助手席にお父さん。

残ったあたしとお母さんは後部座席。


みんなが乗り込み、


いざ出発。



車は空港を目指してゆっくり走り出した。


「どれくらいで日本には戻る予定なんですか?」


「まだはっきりとは言えないが…

10年以内には戻ってきたいと思っている」


10年…

今あたしが16歳だから10年経ったらあたしは26歳…


「それまで…2人には会えないの?」


「そんな事はないわよ。

ただ、しばらくは会えないのは……

確かね」


「そっか…」



お母さんがいつものように明るく言ったが最後の方は少し…

寂しそうだった。




正直言うと…

あたしも寂しい。


今まではホテルにいると分かっていたから少し安心していた。



けど海外となると…

やっぱり寂しい。








< 235 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop