小さな光 ~月と太陽~
藤はお墓の前に手を合わせ、目を閉じて座った。


あたしも藤に合わせた。



『はじめまして、月岡梓です。

藤はとても優しくて藤に出会えて私は幸せです。

藤は私にとって“月”のような存在です。
私は藤の“太陽”になりたいです。

だから空の上から見ていて下さい』



あたしはゆっくり目を開けると隣の藤はまだ話しているようだった。


何を話しているのかな?


しばらく藤の横顔を見ていた。



その時ゆっくり目が開いた。


「話し終わったの?」


「あぁ、終わった」



ここに来る前とは違う表情になっている。

優しい顔。


あたしたちは手を繋いで車へ戻った。



「アズは何か話したか?」


「話したよ!
“藤はとっても意地悪です”って言っておいた!」


「はぁ?そんな事言うなよ。
俺が怒られるだろ」


「えへへ、そんな事言っていないよーだ!
“とっても優しいです”って言っておいた」









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