小さな光 ~月と太陽~
少しの間車を停めておいたら車内はとても暑くなっていた。

クーラーをつけて
しばらく動かずにいた。



「俺の誕生日を祝う為に出掛けた日だった」


突然藤が話し始めた。


車内はクーラーの音と藤の声が聞こえる。



「誕生日はとっくに過ぎていたんだけど
両親が“俺の誕生日プレゼント”って言って家族みんなで食事に行った日だった」



あたしは何も言わずに話を聞いた。

口は挟んではいけないと思った。



「近くのファミレスに行ったんだけど…
俺は嬉しくて姉貴と一緒に先に車から降りる予定だった。


けどさ、俺が降りて姉貴が降りようとしたらトラックが突っ込んできた」


「…………」


「わき見運転だとさ…

トラックは正面から突っ込んできて親父とお袋は即死。
姉貴は急いで病院へ運ばれて1回も意識を取り戻したけど急変して親父とお袋のところへいった」








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