小さな光 ~月と太陽~
あたしたちは何も話さないでご飯を食べた。



今までこんな事は一度も無かった。

あたしが話しかけるか、藤が話しかけてくれるかのどっちか。


今は藤に話しかけようと思わない。


違う。

―――――思えないんだ…



「…………」


「…………」



ご飯はおいしいはずなのに、楽しい時間なのに…



嫌で嫌でしょうがない。



早くこの時間が過ぎればいいのに…





先にご飯を食べ終わったのは藤。


「ごちそーさん。

そうだ…アズ何かあったら俺に電話しろよ」


「何かって?」


「まあ変な事があったら…かな?」


「わかった」



急に『電話しろよ』って言われたってあたしの気持ちは上がらない。


「じゃあ行ってくる」


「うん…
今日は帰り遅いの?」


「いや、今日は早い」










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