小さな光 ～月と太陽～

どうしてそんなにさくらさんを隠したがるの？


あたしには言えない人なの？

やっぱり浮気をしているの？


「だから、明日はマジで仕事なんだって。
信じてくれよ…」



ほら。
そうやってまだあたしにさくらさんを教えてくれない。


「あたしの質問に答えてない」


「“さくらさん”だろ？

それは…」



『それは…』

どうしてその続きが言えないの？



「……………わかった」


「アズ？」


「藤は…藤はずっと浮気をしていたんだね。
あたしより大切な人がいるってことだよね。
ごめんね、気付かなくて…

あたしは1人で大丈夫だからこの家から…


出ていって」


「おい、梓っ」


「名前を呼ばないでっ！
あたしを好きじゃないんだから呼ばないで…

もう出ていって」


「ちょっと待て。
俺の話を聞け」