小さな光 ~月と太陽~
その日は1日、何をするわけでもなく空を見上げボーッと過ごしていた。


その時、家の電話が鳴った。


「はい、もしもし…」


「もしもしー。
アズ、元気にしている?」


「お母さん!」



海外にいるお母さんからだった…

そういえば海外に発ってから声を聞くのは今日が初めてだ。


「どうしたの?」


「“どうしたの?”じゃないわよっ!
いつもの時間にメールは届かないし、声を聞くと元気がなさそうで…
何かあったの?」



いつもは藤と一緒に起きて「アズ、メールしてこい」と言われてあたしはお母さんたちにメールを送っていた。


けど今日は一緒じゃなかったから忘れていた。


「藤君と何かあったの?」



さすがお母さん。


遠くにいても何でも分かってしまう。



あたしはこれまでの事を簡単にお母さんに説明した。











< 275 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop