小さな光 ~月と太陽~
「なんだか結婚式みたいだな」


「ホントだね」



あたしたちは祭壇の前で指輪をはめあって…なんだか『夫婦』になる感じがした。



「アズのウエディングドレス姿…
どんなんだろうな?」


「着た事無いからわからないから分からない。
………藤が着させてよ」



フッと鼻で笑った藤があたしを抱き締めた。


「俺がアズに“ウエディングドレス”着させてやろうじゃん」


自信あり気に聞こえてきた藤の言葉にあたしはついつい笑ってしまった。



藤のタキシード姿は

…………きっとかっこいいはず。


タキシード姿の藤の隣を歩くのはあたしかどうかはわからない。


もし藤がタキシード姿でバージンロードの上を歩く時、
その時隣にいるのはあたしがいいな…


「梓…」


抱き締められている腕が少し緩みあたしは藤を見上げた。



見上げた藤の表情はとても真剣なもの。


「1度しか言わないからよーく、聞いておけよ」


「う、うん…」









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