小さな光 ~月と太陽~
それに初めてだった。
誰かに『暗いのが怖い』と話したのも。
「アズの笑った顔、初めて見た」
「会った時からあたし笑っていましたよ」
「笑ってねぇよ。
それにお前ずっと怒っていたじゃん」
怒っていたのは如月さんが悪いんじゃん!
あ、あんな恥ずかしい事するからだよ。
「けど、アズは笑った方がいいな」
『笑った方がいいな』って…
あなたは何を言うんですかー!!
「如月さん、あたしの事からかっています?」
「はっ!?
からかってないし。
何を勘違いしているんだか…」
呆れたように言う如月さん。
けど新聞から目を離し突然話しかけてきた。
「メシうまいか?」
「えっあっはい。
おいしいです…」
「ならよかった。
お前『おいしい』とも何も言わないからマズイのかと思った」
そしてまた新聞に目を戻した。
あれっ?
あたし何も言わなかったっけ?