小さな光 ~月と太陽~
「如月さん、あたしの『お願い』聞いて下さい」


あたしの思いが溢れる前に


「おっ!やっと、俺を頼ってくれる気になったか」


そんなに嬉しそうに言わないで。

『好き』が大きくなるから。



「如月さんはあたしの『保護者』ですから」


そう、如月さんはあたしの保護者。


「俺の事は『お兄さん』位に考えていいぞ」


お兄さんか…


そうだよね、お父さんじゃ歳が若すぎるもんね。


「如月さんはあたしの『お願い』聞いてくれますか?」


最終確認。


「アズが俺を初めて頼ってくれるからな…

聞いてやるぞ!!」



『聞いてやる』か…


ありがとう。


あたしは斜め上にある如月さんの目を見て

はっきり言った。


目は反らさずに。




「この家から出ていって下さい」




あたしの気持ちが溢れる前にこの家から出ていって。



そうじゃなきゃ


溢れてしまうから―――…







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