小さな光 ~月と太陽~
あたしは急いで着替えを済ませ、如月さんが待つリビングへ向かった。


リビングにはコヒーの匂いが広がっていた。



「アズ、カフェオレ?」


「カフェオレでお願いします」


「了解」



キッチンから少し顔を覗かせあたしに聞いてきた。


如月さんが来てからあたしの飲み物は『カフェオレ』
それも如月さんが淹れてくれるカフェオレ限定。


如月さんが淹れてくれるカフェオレはコーヒーが苦手なあたしの為にとっても甘くしてある。

こういう所は優しいんだけどなぁー…



「ほら、さっさと食えよ。
俺はもう行くから」


「あっ行ってらっしゃい」


「アズ…」



名前を呼ばれ、目の前に置かれている料理から目を離しパッと顔を上げた。



チュッと…

軽く唇に触れるキス。



あたしはびっくりして口をパクパクしている。

こんなあたしの姿をみて如月さんはクスクス笑う。



「行ってきますのキス。
アズが寂しくないようにもう1回する?」


「しません!さっさと行けー」


「はいはい。

そうだ、今日俺の部屋掃除しておいて」


「……わかりました」






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