小さな光 ~月と太陽~
何の計画も無いまま外へ出てきたのであたし達は近くのコンビニでアイスを2本買って木陰の下で休憩中。



「ったく、外はやっぱり暑いな…」


「如月さんか突然出掛けるぞって言うからですよ!
出掛けるなら前もって言っておいてくれたら準備しておいたのに…」


「アズなら『あそこ行きたい』とか言ってくると思ったんだよ。
けど何も言ってこないから…」



言わなかったのではなく、言えなかった。


如月さんと行きたい場所は沢山ある。


海や山、お祭り…考えれば考える程出てくる。



けどこれは全てあたしのわがまま。



如月さんのせっかく休みなのだから自分自身の為に使って欲しかった。


それに、如月さんはあたしの保護者代わりでもあるからわがままは言えない。



「俺はお前の彼氏なんだからわがま…」


プルルルっと、突然携帯の電子音が聞こえた。



あたしは携帯を今持っていない。

如月さんに急に連れ出されたから…



如月さんはズボンのポケットから携帯を出して画面を確認すると、

少し嫌そうな顔をした。








< 64 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop