小さな光 ~月と太陽~
いつ来ても大きいホテル…


今あたしの目の前にはお父さんとお母さんの経営しているホテルがある。


「こっち」


あたしの手を引っ張って行ってくれる如月さん。


このホテルに来る時はたいてい正面から入っていくが…

今日は裏口に周り『職員入口』から入っていく。



「ごめんな、急な用事が入ってきて少し仕事をしなきゃいけなくなったんだ」


「だったらあたし家に…」


「イヤ、すぐに終わるから待っていて」



あたしが連れてこられた所は…


『コンシェルジュルーム』



「ここに居て。
…………絶対に出るなよ」


「はーい」



あたしは簡単に返事をして心配そうな背中の如月さんを見送った。


この部屋には誰も居ない。


初めて入る『コンシェルジュルーム』


何度かホテルの部屋には泊まった事があるが奥まで入る事はあまりなかった。



初めて入る世界…


ホテルという事もありとてもキレイに整理されていた。



「如月さんの部屋みたい♪」


「梓ちゃん?」



名前を呼ばれて振り向くとそこには懐かしい人がいた。







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