小さな光 ~月と太陽~
ひゃーどうしよう…


ツカツカ如月さんが近づく。
それに少し怒っているように見える。



「アズはどうしてここにいるんだ?」


「えーっと…」


「部屋から出るなって言っておいただろ?」


「はい………」



あきらかに怒っている口調。
怖いよ。



「アズは人の言うこと聞かねぇな」


「………ごめんなさい」


「ほら、戻るぞ」



あたしの腕を掴みコンシェルジュルームに戻ろうとした。


掴まれた腕が、痛い。
この痛さは如月さんの怒り具合。


「如月君」


そう呼んだのは恵子さんだった。



「あっすいませんこの子が…」


「梓ちゃん痛そうよ」


「こいつの事知っているんですか?」


「えぇもちろん。梓ちゃんは私の“娘”のような存在ですもん」


「娘…ですか?」


「そっ、だから如月君ちょっと梓ちゃん借りていくわね♪
私たち上のレストランにいるから」



如月さんは掴んでいた腕を放し、あたしに微笑み「行っておいで」と言ってくれた。
さっきまで怒っていたはずなのに。






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