小さな光 ~月と太陽~
席に着いてすぐ恵子さんが楽し気に話し始めた。



「如月君が怒った姿なんか始めてみたわ。
何年も一緒に仕事をしていたけどあんな姿は1度も見たことがない」


如月さんって普段全然怒らないの?

あたしの前では結構怒っていると思うけど…



「如月君っていつから梓ちゃんと暮らしているの」


「お母さん達が出ていった日からです」


「やっぱり…」



どうして『やっぱり』なのだろうか?

夏休み中の如月さんには特に変わった様子が無かった。

8時に家を出て、7時前後に帰ってくる。


これのどこがおかしいのだろうか?



「1回だけ半日位で家に居た日がない?」


「最初の日はそうでした」


「その日はねぇ、如月君本当はお休みだったの。
お母さんとお父さんが荷物の整理にって休みをあげたらしいけど…
結局仕事に来ていたのよ」


「どうしてですか?」



もしかしてその頃如月さんはあたしの事が嫌いだったのかな?


前の日、あたしはさんざん如月さんの悪口を言ってしまっていたから。








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