小さな光 ~月と太陽~
恵子さんは続けた。
「如月君はまだ幼かったから親戚の家に引き取られたそうなの」
私が知っている事はここまでと言って恵子さんは話を止めた。
あたしはどうしていいか分からなかった。
あたしが『暗いのが怖い』と言った時、如月さんは優しく抱き締めてくれた。
『俺を頼ってくれていいから』
そう言ってくれた如月さん。
自分だって辛いはずなのに、
あたしよりも闇が深いくせに、
あたしを心配してくれる如月さんに
胸を締め付けられる。
「如月君は今までは夜勤がほとんどだったの。
けど突然『これからは夜勤は入れないでください。その分休みはいりません』って言ってきてね…
最初はどういう事か分からなかったけど…
たぶん梓ちゃんの為ね。
暗い所が怖い梓ちゃんの為に夜は一緒にいてあげようっていう如月君の優しさね」
「はい…」
あたしが誘拐された事、暗いのが怖いと知っている恵子さん。
お母さんに話せないような事まであたしは恵子さんに話してあった。
「如月君、最近よく笑うようになったのよ」
「笑う?」
「たまにだけどね…
今まではつくったような笑い方だった。
さっきのようなね」
あの初めて会った時のような笑顔の事かなと思った。
「それがここ何日かは変わったわ。
自然な笑顔が出るようになった。
これも梓ちゃんのおかげかな?」
「如月君はまだ幼かったから親戚の家に引き取られたそうなの」
私が知っている事はここまでと言って恵子さんは話を止めた。
あたしはどうしていいか分からなかった。
あたしが『暗いのが怖い』と言った時、如月さんは優しく抱き締めてくれた。
『俺を頼ってくれていいから』
そう言ってくれた如月さん。
自分だって辛いはずなのに、
あたしよりも闇が深いくせに、
あたしを心配してくれる如月さんに
胸を締め付けられる。
「如月君は今までは夜勤がほとんどだったの。
けど突然『これからは夜勤は入れないでください。その分休みはいりません』って言ってきてね…
最初はどういう事か分からなかったけど…
たぶん梓ちゃんの為ね。
暗い所が怖い梓ちゃんの為に夜は一緒にいてあげようっていう如月君の優しさね」
「はい…」
あたしが誘拐された事、暗いのが怖いと知っている恵子さん。
お母さんに話せないような事まであたしは恵子さんに話してあった。
「如月君、最近よく笑うようになったのよ」
「笑う?」
「たまにだけどね…
今まではつくったような笑い方だった。
さっきのようなね」
あの初めて会った時のような笑顔の事かなと思った。
「それがここ何日かは変わったわ。
自然な笑顔が出るようになった。
これも梓ちゃんのおかげかな?」