水晶の少年 【第一幕 完結】※続編「SEASON」 




To:妃彩


お帰り。


悪かったな、今日学校休んでて。
体調は崩してないから安心して。

受験関係の準備で、
学校も家も行ってないだけだから。

プレゼント届いたみたいで良かった。


この間、店の窓越しに見つけたんだ。


ピンクのカーテンとか、レースの部屋で
喜んでるお子様にはお似合いだろ。


買いに行くの、
恥ずかしかったんだからな。


とりあえず可愛がってやってくれ



氷雨




PS.

そっちにダチの由貴が行くと思う。
花火大会の時にあった奴、覚えてるか?

今日も逢ったんだろ。

オレがいけない間、少し由貴と出かけて来いよ。
気分転換くらいにはなるだろ。

オレが連れてってやりたいけど、
もうう少し時間かかりそうだからさ









何時逢えるとも、そのメールには書いてなかったけど
それでも、くまさんを購入してる氷雨の姿を想像してみるだけで、
ほんの少しだけ、暖かくなれた。






ねぇ……
名前を決めなきゃね。







何にしようか?







ぎゅっと、
ぬいぐるみを抱きしめながら
心の中でそっと呟く。

















……氷雨……。


早く逢いたいよ……。








翌日。


氷雨のメールにあったように、
氷室くんは、私の部屋を訪ねてきた。

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