水晶の少年 【第一幕 完結】※続編「SEASON」
マジかよ。
まだ……アイツ、
捕まってなかったんだ。
バイクから降りて、
オレも建物の影に隠れながら
一本の電話を入れる。
「もしもし、氷雨。
補講は終わった?」
電話の向こう、
全てお見通しの先代総長。
「朔良さん。
今、学校終わったんですがアイツがいるんです。
最初にオレが見た現場に居たもう一人が。
写真送ります」
即座に電話を切って、
アイツの写真を携帯に収めると、
朔良さんへと送信をかけた。
それと同時に、こんな状態で
……妃彩の場所には行けない……。
ただその思いで、
1通のメールを送信する。
☆
To:妃彩
悪い……。
メリークリスマス。
今日は行けなくなった。
また埋め合わせはする。
氷雨
☆
アイツが肩を落として悲しむ姿が
脳裏に思い浮かぶ。