水晶の少年 【第一幕 完結】※続編「SEASON」
エピローグ
クリスマスイヴ。
朝から……氷雨と過ごす
初めてのクリスマスを楽しみにしてた。
昨日のキスの感触が
今も忘れられないよ。
ドキドキしながら
待ち続ける時間に、
入ってきた……一通のメール。
☆
To:妃彩
悪い……。
メリークリスマス。
今日は行けなくなった。
また埋め合わせはする。
氷雨
☆
氷雨……どうしたの?
不安に潰されそうな私は、
氷雨の携帯へと何度も何度も
電話をかける。
氷雨の電話からは、
冷たい機械音声が
電源が入っていないことを告げる
案内文だけが流れる。
メールを送っても、
返信は届かない。
そのまま時間は流れて……
夕方、灰色の低い空から
ひらひらと舞い踊るのは、
白い妖精たち。
氷雨……見てる?
ホワイトクリスマスだよ。