水晶の少年 【第一幕 完結】※続編「SEASON」
17.真っ白になりたくて -氷雨-
妃彩と付き合いだして一ヶ月。
季節は紅葉が話題に出る頃へと
進んでいた。
オレの毎日は変わらない。
だけど警察官になる夢を諦めないと
心に決めたオレの進路はまだ空白のままだった。
警察学校は寮だ。
勝手に受験して、入学してしまえば
それで警察官にはなれるかも知れない。
だけど……それは、一時的には満足しても
おふくろを説得できないままじゃ、
わだかまりが残る。
おふくろを説得する。
それが今のオレが最優先に掲げた目標。
どれだけ親父のような警察官になりたいか、
遊んで抗議すんじゃなくて、
努力で認めさせることが出来たら。
そう思った。
さがり気味だった成績は、
あっと言う間に兄貴の成績に近づいた。