水晶の少年 【第一幕 完結】※続編「SEASON」
部屋に戻って相変わらず氷雨からの連絡を待ちながら
学校の教科書を開いて勉強していた時、
ノック音と共に今井さんが部屋へと入ってきた。
「春宮さま、荷物が届いておりました」
そういってテーブルの上へと置いてくれた
大きな箱。
勉強する手をとめて、その箱を開いていくと、
その中には大きな茶色テディベアがお座りしてた。
首元には、
可愛らしいリボン。
お洋服を身に纏った、
大きなくまのぬいぐるみ。
差出人は、氷雨君だったから
流石の私もちょっとびっくりしながら、
ギュっとその、ぬいぐるみを抱きしめた。
ぬいぐるみを抱きしめたまま、
氷雨君へとメールする。
★
To:氷雨くん
ただいま。
今日、和花さんと浅間学院に行ったんだよ。
氷室さんと校門の前で逢って、
氷雨君、学校お休みしてるって聞きました。
家にも帰ってないって何?
体調崩しちゃったの?
お大事にしてくださいね。
今日、可愛いくまさんが届いたよ。
今日からベッドの頭元に
一緒に居て貰うねー。
妃彩
★
送信。
何時届くかわからないと思いながら、
期待半分で送信したメールの返事は
思ってたよりも早く帰ってくる。