水晶の少年 【第一幕 完結】※続編「SEASON」 



部屋に戻って相変わらず氷雨からの連絡を待ちながら
学校の教科書を開いて勉強していた時、
ノック音と共に今井さんが部屋へと入ってきた。




「春宮さま、荷物が届いておりました」




そういってテーブルの上へと置いてくれた
大きな箱。




勉強する手をとめて、その箱を開いていくと、
その中には大きな茶色テディベアがお座りしてた。



首元には、
可愛らしいリボン。




お洋服を身に纏った、
大きなくまのぬいぐるみ。





差出人は、氷雨君だったから
流石の私もちょっとびっくりしながら、
ギュっとその、ぬいぐるみを抱きしめた。





ぬいぐるみを抱きしめたまま、
氷雨君へとメールする。








To:氷雨くん



ただいま。

今日、和花さんと浅間学院に行ったんだよ。

氷室さんと校門の前で逢って、
氷雨君、学校お休みしてるって聞きました。

家にも帰ってないって何?

体調崩しちゃったの?

お大事にしてくださいね。


今日、可愛いくまさんが届いたよ。

今日からベッドの頭元に
一緒に居て貰うねー。


妃彩








送信。





何時届くかわからないと思いながら、
期待半分で送信したメールの返事は
思ってたよりも早く帰ってくる。

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