初恋~番外編~
駅に近づいた時、俺はごく自然に思った事を口にした。
「西野、よかったら連絡先教えてくれないか?」
「え?もちろんいいよ!」
一瞬驚いた顔をしながらもいそいそとバックから紙とペンを取り出し、携帯の番号を書いた。
「はい、これ。メアドちょっと長いけど、ごめんね」
確かにメアドは記号や数字を織り交ぜ、かなり長い。
しかし、よく見れば人が笑っているような顔文字に見えた。
それに気付いて「西野らしい」と、ふっと笑みが漏れた。
「確かに長いな。頑張って登録するよ」
「うん!」
嬉しそうに返事をすると、西野は「またね、お仕事頑張ってね」と手を振って改札へと消えていった。
「西野も仕事だろう」
そう呟いてまた微笑んでいた。
俺はポケットに入っていた丸まった紙切れを近くのゴミ箱に捨て、西野のから受け取った連絡先を胸ポケットにしまった。
一歩踏み出して、思い出したように空を仰いだ。
そこは相変わらず、抜けるような青空。
だけど、さっき見た時は心が軋むように痛んだはずなのに、今は清々しさを感じた。
なにか大切なものを得た気がして、心が満足していた。
「さて、仕事するか」
気分を切り替えるように呟いて、俺も駅へと向かった。
「西野、よかったら連絡先教えてくれないか?」
「え?もちろんいいよ!」
一瞬驚いた顔をしながらもいそいそとバックから紙とペンを取り出し、携帯の番号を書いた。
「はい、これ。メアドちょっと長いけど、ごめんね」
確かにメアドは記号や数字を織り交ぜ、かなり長い。
しかし、よく見れば人が笑っているような顔文字に見えた。
それに気付いて「西野らしい」と、ふっと笑みが漏れた。
「確かに長いな。頑張って登録するよ」
「うん!」
嬉しそうに返事をすると、西野は「またね、お仕事頑張ってね」と手を振って改札へと消えていった。
「西野も仕事だろう」
そう呟いてまた微笑んでいた。
俺はポケットに入っていた丸まった紙切れを近くのゴミ箱に捨て、西野のから受け取った連絡先を胸ポケットにしまった。
一歩踏み出して、思い出したように空を仰いだ。
そこは相変わらず、抜けるような青空。
だけど、さっき見た時は心が軋むように痛んだはずなのに、今は清々しさを感じた。
なにか大切なものを得た気がして、心が満足していた。
「さて、仕事するか」
気分を切り替えるように呟いて、俺も駅へと向かった。