初恋~番外編~
そこからダッシュで着替えて、すご~く簡単にお化粧して公園めがけて全力疾走した。
おかげで公園に着いた時、私の息は絶え絶えだった。
「お・・・おまた・・せ・・・・」
ぜぇぜぇと肩で息をする私に景一くんは驚いた様に私を見た。
「西野、大丈夫か?そんなに慌てなくても良かったのに」
「だい・・じょ・・ぶ・・・」
とりあえず、私も景一くんの隣に腰を下ろして息を落ち着けた。
そんな私に景一くんが缶の紅茶を差し出した。
「これ。待ってる間に買ったから少し冷えたかも」
「ありがとう!じゃ、遠慮なくいただきます」
あまいミルクティーが全力疾走した身体に滲みるようにおいしく感じた。
景一くんは自分のブラックコーヒーを飲んでいた。
もしかして・・・覚えててくれたのかな?
この前会ったとき、私がミルクティー飲んでた事。
なんか・・・・凄く嬉しいかも・・・・。
自然と顔が綻んでいた。
そんな私に景一くんがぽつんと言った。
「やっぱり西野に連絡して正解だった」
「え?どういう事?」
首を傾げた私に景一くんは今日あった事を話してくれた。
「仕事が終わって帰ろうとした時に看護師達に声を掛けられたんだ。食事でも一緒にって。同じ職場で働く仲間だから断るのも悪いと思ってつきあう事にしたんだ」
「ふんふん。それで?」
何気なく聞いてるふりしてるけど、本当は少し胸がズキンってした。
やっぱり景一くん、もててるんだ。
当たり前の事なんだけど、現実知らされてショックを受けていた。
景一くんは私に先を促され、話を続けた。
「入った店は良かったんだ。味も素材も良くて、料理人が丁寧に仕事してるのが伺えた。だけど看護師たちは料理はそっちのけで俺を質問攻めだ。『どうして実家の病院に勤務しないんですか?』『実家は誰が継ぐんですか?』そんなものばっかりだ。その上、食事に行くって言っておきながらすごい香水の臭いで酔いそうになった」
「あ~、それはだめだよね。せっかくのお料理が台無しだね」
景一くんが言いたいことが分かる気がした。
きっと作った人は『おいしく食べてもらえるように』って心を込めて作ってくれてるはず。
それを頂く側は、味、香り、温度などからその気持ちを感じとらなきゃだめだと思う。
ふんふんと頷いた私に微笑みかけながら景一くんが言った。
「着飾って『女』をばら撒いてる連中見てたら、西野に会いたくなったんだ」
その言葉にはっとした。
今の私の服装は・・・・
ジーンズにカーディガン。
その上、スニーカーだ。
走りやすさ重視のこの格好。
さっきまで、綺麗にお化粧もしてかわいい格好した人と会ってた景一くんの前に出るにはかなり恥ずかしい格好だ。
少しでも身なりを整えようと、髪を手くしで整えながら恥ずかしくて俯いた。
「ごめんね。せっかく会いに来てくれたのに、私、髪ボサボサだし、こんな格好だし」
「いや。西野、俺が急に連絡したから慌てて出てきてくれたんだろ?俺はそっちの方が嬉しいよ」
ぽんぽんって景一くんが私の頭を撫でた。
昔、沙羅にしてたみたいに。
その仕草に顔をあげて景一くんを見た。
すると景一くんは、はっとしてバツが悪そうに視線を外した。
「悪い。つい昔のくせが出た」
また胸がズキンって音を立てた。
景一くんは沙羅を忘れていない。
今でも想い続けてる。
それを感じ取った。
おかげで公園に着いた時、私の息は絶え絶えだった。
「お・・・おまた・・せ・・・・」
ぜぇぜぇと肩で息をする私に景一くんは驚いた様に私を見た。
「西野、大丈夫か?そんなに慌てなくても良かったのに」
「だい・・じょ・・ぶ・・・」
とりあえず、私も景一くんの隣に腰を下ろして息を落ち着けた。
そんな私に景一くんが缶の紅茶を差し出した。
「これ。待ってる間に買ったから少し冷えたかも」
「ありがとう!じゃ、遠慮なくいただきます」
あまいミルクティーが全力疾走した身体に滲みるようにおいしく感じた。
景一くんは自分のブラックコーヒーを飲んでいた。
もしかして・・・覚えててくれたのかな?
この前会ったとき、私がミルクティー飲んでた事。
なんか・・・・凄く嬉しいかも・・・・。
自然と顔が綻んでいた。
そんな私に景一くんがぽつんと言った。
「やっぱり西野に連絡して正解だった」
「え?どういう事?」
首を傾げた私に景一くんは今日あった事を話してくれた。
「仕事が終わって帰ろうとした時に看護師達に声を掛けられたんだ。食事でも一緒にって。同じ職場で働く仲間だから断るのも悪いと思ってつきあう事にしたんだ」
「ふんふん。それで?」
何気なく聞いてるふりしてるけど、本当は少し胸がズキンってした。
やっぱり景一くん、もててるんだ。
当たり前の事なんだけど、現実知らされてショックを受けていた。
景一くんは私に先を促され、話を続けた。
「入った店は良かったんだ。味も素材も良くて、料理人が丁寧に仕事してるのが伺えた。だけど看護師たちは料理はそっちのけで俺を質問攻めだ。『どうして実家の病院に勤務しないんですか?』『実家は誰が継ぐんですか?』そんなものばっかりだ。その上、食事に行くって言っておきながらすごい香水の臭いで酔いそうになった」
「あ~、それはだめだよね。せっかくのお料理が台無しだね」
景一くんが言いたいことが分かる気がした。
きっと作った人は『おいしく食べてもらえるように』って心を込めて作ってくれてるはず。
それを頂く側は、味、香り、温度などからその気持ちを感じとらなきゃだめだと思う。
ふんふんと頷いた私に微笑みかけながら景一くんが言った。
「着飾って『女』をばら撒いてる連中見てたら、西野に会いたくなったんだ」
その言葉にはっとした。
今の私の服装は・・・・
ジーンズにカーディガン。
その上、スニーカーだ。
走りやすさ重視のこの格好。
さっきまで、綺麗にお化粧もしてかわいい格好した人と会ってた景一くんの前に出るにはかなり恥ずかしい格好だ。
少しでも身なりを整えようと、髪を手くしで整えながら恥ずかしくて俯いた。
「ごめんね。せっかく会いに来てくれたのに、私、髪ボサボサだし、こんな格好だし」
「いや。西野、俺が急に連絡したから慌てて出てきてくれたんだろ?俺はそっちの方が嬉しいよ」
ぽんぽんって景一くんが私の頭を撫でた。
昔、沙羅にしてたみたいに。
その仕草に顔をあげて景一くんを見た。
すると景一くんは、はっとしてバツが悪そうに視線を外した。
「悪い。つい昔のくせが出た」
また胸がズキンって音を立てた。
景一くんは沙羅を忘れていない。
今でも想い続けてる。
それを感じ取った。