初恋~番外編~
次々と出席者に今日の礼の言いながら雑談に華を咲かす沙羅の横を通り過ぎ、出口に向かおうとしていた。
「あれ?藤堂くんは2次会行かないの?」
声を掛けられ振り向けば、披露宴の最中もあれこれと俺に話しかけてきていた沙羅の同僚だという女がいた。
「藤堂君が行かないなら私もパスしちゃおっかな。ね、ふたりでお茶でも行かない?」
馴れ馴れしく腕を絡ませる女を一瞥して腕を解いた。
「悪いがそんな時間はない。今から仕事だ」
「仕事ってなにしてるの?」
「医者だ」
俺の答えに女は目を輝かせた。
「藤堂くんってお医者さんなの?!すご~い!尊敬しちゃう!」
再び腕を絡ませようとする女を引き剥がし、俺は背中を向けた。
「勝手に尊敬されても困る。とにかく急ぐから」
勤務時間まではまだあったが、それだけを告げて歩き始めた俺を女は慌てて引きとめた。
「ああっ、ちょっと待って!はい、これ。私のケー番とアドレス。絶対連絡してね」
無理矢理手の中に押し込められた紙切れを握りつぶしてポケットに放り込むと、俺は何も言わず足を進めた。
「絶対だよ!絶対連絡してね!」
俺の背中に向かって尚も女は叫んでいた。
(うざったい・・・・・)
内心辟易していた。
「あれ?藤堂くんは2次会行かないの?」
声を掛けられ振り向けば、披露宴の最中もあれこれと俺に話しかけてきていた沙羅の同僚だという女がいた。
「藤堂君が行かないなら私もパスしちゃおっかな。ね、ふたりでお茶でも行かない?」
馴れ馴れしく腕を絡ませる女を一瞥して腕を解いた。
「悪いがそんな時間はない。今から仕事だ」
「仕事ってなにしてるの?」
「医者だ」
俺の答えに女は目を輝かせた。
「藤堂くんってお医者さんなの?!すご~い!尊敬しちゃう!」
再び腕を絡ませようとする女を引き剥がし、俺は背中を向けた。
「勝手に尊敬されても困る。とにかく急ぐから」
勤務時間まではまだあったが、それだけを告げて歩き始めた俺を女は慌てて引きとめた。
「ああっ、ちょっと待って!はい、これ。私のケー番とアドレス。絶対連絡してね」
無理矢理手の中に押し込められた紙切れを握りつぶしてポケットに放り込むと、俺は何も言わず足を進めた。
「絶対だよ!絶対連絡してね!」
俺の背中に向かって尚も女は叫んでいた。
(うざったい・・・・・)
内心辟易していた。