我流!~ガリュウ!~

―薄れゆく意識の中で

あたしは見た。



何か小さな黒い塊が

まだ生まれてない赤ちゃんを

さらっていこうとしているのを。



あたしは頼んだ。



「やめて…連れて行かないで…」


『この子が気に入った…

 私がもらって不自由はさせない…』


「お願い…みんなが待ってるの」


『この子の誕生は望まれているのか…?』


「あたりまえじゃない」


『いや、ちがうな…

 お前の両親は望んでいない…』


「…なんですって?」



あたしは耳を疑った。


< 188 / 212 >

この作品をシェア

pagetop