我流!~ガリュウ!~
「なぁんだ、俺んちの100倍くらいマシだ」
飛鳥は明るく言った。
頭の後ろで手を組んで、
なんと、微笑までしている。
「は…?」
「俺んちは」
飛鳥はまた話し始めた。
「5年以上もめて、
親父もおふくろも家を出て、
俺と妹は施設に預けられて、
裁判にも3年くらいかかって、
両親ふたりとも親権を譲り合って、
俺と妹は
『金がもったいない』なんて理由で
施設からも出されて、
親戚んちに預けられて、
そこでも邪魔者扱いで、
身体の弱かった妹は、
ノイローゼになって入院。
そのまま死んじゃって、
『子供にかける金はない』
なんて言われて
葬式もしなくてな」