我流!~ガリュウ!~

「なぁんだ、俺んちの100倍くらいマシだ」



飛鳥は明るく言った。


頭の後ろで手を組んで、

なんと、微笑までしている。



「は…?」


「俺んちは」



飛鳥はまた話し始めた。



「5年以上もめて、

 親父もおふくろも家を出て、

 俺と妹は施設に預けられて、


 裁判にも3年くらいかかって、

 両親ふたりとも親権を譲り合って、


 俺と妹は

 『金がもったいない』なんて理由で

 施設からも出されて、

 親戚んちに預けられて、

 そこでも邪魔者扱いで、


 身体の弱かった妹は、

 ノイローゼになって入院。


 そのまま死んじゃって、

 『子供にかける金はない』

 なんて言われて

 葬式もしなくてな」


< 62 / 212 >

この作品をシェア

pagetop