クロッカス色の恋
「さゆちゃん!?
そんな所で何をしているの!?」
『あっ!!
吃驚したぁ!!
急に現れちゃメッ!!だよ?お母様。
それよりぃ!!手伝って?
上手く行かないの!!これ。』
小さな少女は何故か、
小さな花束を土に埋めていた。
「それ...
あの子に貰ったものよね?
何で埋めてるの?」
『あのね?
さゆりはこれを埋めて、
お家のお庭をいっぱーいにするの!!』
「そうね。
でもこれじゃ新しい花は生まれないわ。
種がないとね?
明日買いに行きましょう?」
『うん!!
あのねお母様!!
この花コチョウランって言うんだって!!』
「コチョウラン?
花言葉は確か...」
『“君を愛しています”
だって!!エヘヘ?』
その後愛娘の希望によりその家の庭が
コチョウラン畑に変わってしまったのは、
言うまでもないわね。
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