彼女志願!2nd
TABOO
久しぶりの翡翠社の打ち合わせ室――
長テーブルの上には私が書いてきたプロットが散らばっている。
「穂積さん、どう思うかなぁ……」
壁にかかっている時計を何度か見上げながら、時間ぎりぎりまでプロットを見直していると、ドアを叩くノックの音。
「はいっ!」
「――凛先生、お待たせしました」
ストライプのスーツに眼鏡姿の穂積さんが、申し訳なさそうに打ち合わせ室の中に入ってきた。
「あ、いえ、全然待ってません!」
「いえ。一時間近くお待たせしてしまって、本当に申し訳ありませんでした」
生真面目そうに穂積さんはそう言い、また軽く頭を下げる。
「私の前の打ち合わせが長引いたんですか?」
「ええ」