彼女志願!2nd
甘え
翌朝、仕事に向かう穂積さんを見送った後、担当のマルさんにメールを送った。
すぐにマルさんから電話がかかってきて、ものすごく感謝された。
『いやー、先生喜ぶと思います。断られたらもうこの企画自体やめようかって言ってたくらいなので!』
「えーっ!?」
たまげた。びっくりした。
私に断られたら企画止めるってどんだけ!
確かに作品は気に入っていただけたみたいだけど、そこまでの作家じゃないんですけどー!!
恐れおののく私が電話越しにわかるのか、マルさんはワハハと笑いながら言葉を続けた。
『いやいや本当なんですよ、でも先生はそんなこと言ったら鴻上先生が断りにくいだろうからって、内緒にしとけって言われてたんです。あーでもよかった。ホッとしましたー!』
どうも本気で安心されているようで、こっちまで恐縮してしまう。