彼女志願!2nd
よしっ!
思い切ってインターフォンのボタンを押すと『どうぞお入りください』と、若い男子の声。
すぐにドアが開いて、眼鏡をかけた男の子が姿を現した。
「こんにちは。鴻上です!」
「アシスタントの安川です。どうも」
ほっそりした体をボーダーTシャツにデニムに包んだ彼は、ぺこっと頭を下げ、それから私を建物の中へと招き入れてくれた。
「先生を呼んできますので、ここで待っててください」
「は、はいっ!」
玄関から一歩入ると大きな中庭が見える。
その中庭の向こう側に二階へと続く階段があった。
「ふわあ……」
口が開いた。
っていうか、自分でもポカーンと口が開いているのはわかったけれど、閉じることができなかった。