彼女志願!2nd
二階、三階が仕事場らしい。
そこまでがずっと吹き抜けになっていて、作り付けの本棚に、びっしりと本が詰まっているのが見える。
あそこに何千冊の本が埋まってるんだろう。
すごい……。
どのくらい時間があったら、あれ全部読めるんだろう。
相瀬先生はずっと売れっ子でお忙しいのに、あれだけの本を読んでいるんだろうか。
だとしたらすごいなぁ……。
勉強家でいらっしゃるんだなぁ……。
「――萌ちゃん」
「あっ、相瀬先生!」
顔を上げると、相瀬先生が階段の手すりにもたれるように立っていて、手を振ってきた。
「ごめんね、急に呼び出したりして」
「いえ、大丈夫です」