彼女志願!2nd

咄嗟に持っていたトートバッグを開き、いつも持って回っているノートとペンを取り出していた。

大丈夫だよね、少々メモとっても、いいよね???


脳内に映し出されるたくさんのシーンを逃がさないように、私はすぐに自分の世界に入り込む。


大人の男と、生意気な美少女と

振り回しているつもりが振り回されて

好きと嫌いが万華鏡のように入り混じって

めくるめく音楽と
美しく、官能的に
くるくると踊るドレスの裾――




「んー……? 俺、そういう男に見える?」

背後から、耳元で響くハスキーボイス。


手元のメモの文字をなぞる指は、もちろん相瀬先生のもの。

後ろから覆いかぶさるようにして、先生が私のメモを覗き込んでいた。







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