Time〜元新撰組と現代少女〜
暫く歩くと、近藤さんは道場の裏で足を止めた。
私も足を止めると、近藤さんは私から背を向けたまま話し出した。
近「歳はな………不器用なんだ。いくつも大事な物を持つと、一番大切なことが見えなくなる。」
栞「だから、近藤さんはわざと土方さんを突き放すんですか?」
私が問い掛けると、近藤さんはゆっくりと私の方を向いた。
近「あぁ、そうだよ。」
栞「土方さんは、近藤さんのことを凄く大切に思っているのに?」
近「歳には………俺よりも大切な者がいるからな。」